JCGR 日本コーポレート・ガバナンス研究所
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好評発売中!
コーポレートガバナンス・マニュアル第2版−21世紀 日本企業の条件−
日本コーポレート・ガバナンス研究所理事長 若杉敬明監修・著/大和総研経営戦略研究所編/中央経済社/定価2,600円(税別)
監査役会社、委員会設置会社を問わず、良きガバナンスシステムを構築し、良きコーポレート・ガバナンスを実践するための具体的な方法を解説した実務書です。JCGRのコーポレート・ガバナンス原則に準拠しています。そのほかにもコーポレート・ガバナンスに関する読み物および優良コーポレート・ガバナンス会社の事例が紹介されています。

 1.JCGIndex
 JCGRが算出ているJCGIndex は、1990年代以降、世界的な潮流になってきた「ガバナンスとマネジメントの分離」というガバナンスのあり方を基準にして、各企業のガバナンスの状態が、それにどの程度近いかを示す指数です。 100に近いほどこの基準に近いことを意味し、 ゼロに近いほどこの基準から遠いことを表します。
 具体的には、JCGRは独自に「JCGRコーポレート・ガバナンス原則」を定め、これに基づいて質問項目を作成しアンケート調査を行っています。
 この「ガバナンス原則」はコーポレート・ガバナンス・フォーラムの「改訂コーポレート・ガバナンス原則」と軌を一にするものです。また2003年4月から施行された改正商法の委員会設置会社も基本的な思想を共有するものであるといえます。

2.ガバナンスとマネジメントの分離
 株式会社においては、株主が実質的な所有者として会社に対するガバナンスを持っており、株主総会で取締役を選任し、取締役会に企業の経営を委ねます。グローバル化および技術革新が急速に進んでいる現代企業においては、経営者が絶大な権限を持ち、迅速かつ弾力的な経営を行う必要があります。しかし、絶大な権限を持つ経営者が間違った経営を行えば、株式のみならず企業のステークホルダーすべてが大きな損失を蒙ることになります。したがって、経営者に対する適切な方向付け(監督)も不可欠です。
 そこで最近は、取締役会は経営者として執行役員を選任し、この執行役員に実際の企業経営を委ね、取締役会はその監督に徹するという新しい体制が、各国の企業でとられるようになってきました。それが「ガバナンスとマネジメントの分離」です。

3.取締役会のガバナンス
 企業が高い業績を上げるためには、まず@優秀な経営者を確保する必要があります。また、現代のグローバル社会では、異なる文化・言語・背景を持つ人々が企業を通して関わっていますから、公平で公正な経営により業績を追求することが求められております。そこでA執行役員の経営に対する監査も取締役会の重要な役目です。さらに、執行役員から優秀な経営を引き出すためには、明確な業績目標を課すとともに、その達成度に応じた報奨を行うことが有効です。B経営者に対する有効かつ適切なインセンティブ報酬制度を敷くことも取締役会に求められます。
 これらの、機能を確保するのが独立取締役としての社外取締役が中心となっている取締役会です。企業が安定的に好業績を上げていくためには、つまり企業がサステイナブル(持続可能)であるためには、上述のガバナンスの精神を反映したガバナンスシステムが不可欠です。

4.JCGRのJCGIndex
 このような観点から、約50問の質問項目を厳選し、それに対する回答によって各企業のコーポレート・ガバナンスの状態を測定するのがJCGRのコーポレート・ガバナンス・インデクスJCGIndexです。
  ガバナンスについてはいろいろな考え方がありえますので、 ガバナンス・システムにもさまざまなものがありえます。 実際にわが国の商法は、グローバルな視野からガバナンスとマネジメントの分離の必要を認識し、委員会等設置会社を導入しましたが、同時にわが国企業の実情を反映して、監査役設置会社という制度も残しました。基本的な考え方さえ確立していれば、取締役会の形は二の次であるということもできます。
 その意味で、JCGIndexは、あくまでも一つのモデルを基準とした相対値です。 したがって、指数の大小はガバナンス・システムの優劣とは 必ずしも関係なく、この指数が小さいからといって、 ガバナンスが劣っていることを意味しているわけではありません。 しかし、過去2回の調査から、JCGIndexが高い企業は業績も良く、また監査役設置会社にもJCGIndexが高い会社がたくさんあるということです。

 JCGRは、いずれにせよ健全なコーポレート・ガバナンスの概念を持つことがもっとも基本であると考えます。このアンケート調査を通じて、みなさま方と新しいコーポレート・ガバナンスについての考え方を共有できることを願っております。

2002年6月28日
望ましいガバナンス・システムとは何か
−JCGIndex調査にあたって−
若 杉 敬 明
  コーポレート・ガバナンスの本質は、 会社の経営者から、すぐれた経営を引き出すことにあります。 すぐれた経営とは、経営者が、明確な企業目標の下で、 責任をもってその目標を実現しようと努めている体制であり、 コーポレート・ガバナンスとはまさに、 その体制を実現するための仕組みです。

1.株主のガバナンス
  株式会社は株主が出資し 株主が責任を持って企業を運営する組織です。 公開会社では株主が直接会社を経営することはできませんので、 株主総会で取締役を選任し、取締役会に企業を委ねます。
2.経営監督機関としての取締役会
  現代の国際的な企業においては、 取締役会は執行役員に企業経営の全権を委ね、 自らは執行役員の監督に専念するという ガバナンス・システムが広がりつつあります。 グローバル競争が進展しダイナミックに変化する企業環境の下で、 機動的・弾力的な経営が要求される現代企業においては、 一定の方向を示されながらもフリーハンドをもって経営を行うことが 不可欠だからです。 取締役会は、絶大な権限を持つ執行役員が、 株主にとって望ましい経営を行うよう方向付ける機能を担います。 これを取締役会によるガバナンス(監督)と執行役員による マネジメント(経営)の分離といいます。
3.取締役会の監督の方法
  取締役会は、株主の目的を達成するのに適切な目標を定め (株主価値の創造など)、経営者が、従業員と協力して その目標の実現に努める仕組みを作り、それを機能させます。 その仕組みとは、経営者および従業員の適正かつ 効率的な貢献を確保するための(広義の)内部統制システムと、 経営者、従業員の自発的な献身を引き出すための報奨制度です。 後者としては、インセンティブ報酬制度が世界的に普及しつつあります。
4.取締役会の構成
取締役会が、公正で厳しい内部統制システムおよび 効率的で有効な報奨制度を実現させ機能させるためには、 経営者及び従業員から中立的な取締役が必要です。 また、企業には、従業員、顧客、供給者等々 さまざまなステークホルダーがいるにも関わらず、 株主がガバナンスを有しても公平であるのは、 企業がこれらのステークホルダーと市場原理に基づいた (あるいはそれに準じた) 公正な取引をすることが前提となっているからです。 経営者及び従業員等から中立で、 かつ他のステークホルダーに対しても公正であり、その上で、 株主の観点から経営者を監督できる取締役を独立取締役と呼びます。 取締役会の監督機能を確保するためには、 取締役会を独立取締役としての社外取締役で構成することが 望ましいという考え方が国際的に認められつつあります。
5.執行役員のマネジメントの体制
  自らに与えられた目標を達成するためには、執行役員は、 部下である従業員に一生懸命働いてもらわなければならなりません。 そのためには、従業員にも明確な目標を与えると共に、 インセンティブ報酬制度などを活用して 従業員の献身を確保する必要があります。 また、従業員の効率的かつ公正な貢献を確保するためには、 内部統制システムを自ら掌握していなければならなりません。 また、不確実な環境の下で、株主に対して安定的な業績をあげるために、 リスクマネジメントの体制を確立し、 自ら責任をもって運営することが不可欠です。
6.企業の透明性の確保
  執行役員は、自らが行う経営が、 すべてのステークホルダーに対して公正であると同時に、 株主にとって最善のものであることを証明するために、 取締役会に定期的かつ随時報告すると共に、 IRおよび株主総会により株主とのコミュニケーションを潤沢にし、 かつディスクロージャによりその他のステークホルダーに 適切な情報をタイムリーに提供することが必要です。

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